メニュー

栄養と運動

我々は食べなければ生きることができませんし、食事そのものが幸福でもあります。

しかし、今はその食が病の源となって我々を苦しめています。

 

生活習慣病の改善には、栄養管理と運動が不可欠です。

勉強でもスポーツでも基本が重要です。あまり難しく考えず単純に考えるのがよいと思います。

 

第一段階

〇お腹が空く時間帯をつくる

間食をひかえて、お腹が空いてから朝昼夕の3食を食べるようにしましょう。

 

〇盛り付けるお皿を小さくする

腹7分がいいのは誰もがわかっていますが、目の前に盛り付けられた食事を残すのは、なかなか難しいと思います。7割小さなお皿に盛り付けましょう。

 

〇お酒にもカロリーがあるので、なるべく控えめに

 

〇運動は、週3回・1回30分のウオーキングから

とくに何もしていないかたであれば、ウオーキングがよいと思います。だらだら歩くのではなく、汗ばむ程度の早歩きがよいと思います。

可能であれば水泳もとてもよいと思います。

 

 

第二段階

〇食品包装パッケージ裏面の成分表をみる

みるのは、カロリー・3大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)・塩分の5か所です。

なかには驚きの高カロリー食があることがわかります。これを習慣づけると、なんとなく良い食べ物・良くない食べ物がわかってきます。

 

〇なにが炭水化物で、たんぱく質で、食物繊維なのかを意識する

炭水化物:お米、うどん、そば、ラーメン、芋、果物

たんぱく質:肉、魚、卵、豆、乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルト)

食物繊維:野菜、海藻、キノコ

 

栄養に関するピットフォール

〇多くの場合、たんぱく質が少ない

重度の肝機能・腎機能低下、痛風のかたはたんぱく質制限が必要な場合もありますが、拝見しているとたんぱく質の摂取量が少ないケースが多いです。

 

たんぱく質は筋肉の原料です。筋肉は基礎代謝量に大きくかかわります。基礎代謝量が少ないと消費カロリーも少ないので、健康的に摂取できるカロリーも少なくなってしまいます。

良質なたんぱく質である、ささみ・鳥むね肉・シーチキン・豆腐・納豆などを1品くわえるのがよいでしょう。

 

ただ、たんぱく質を多く含む食品には脂肪も多く含まれることが多いことに注意です。チーズの包装紙にある成分表をみてみましょう。かなり脂肪が多い事に気づくはずです。

同じ牛肉でも美味しい和牛よりも安いオージービーフのほうが脂肪が少なく健康的です。同じ理由でトロよりも赤身が栄養的にはよいでしょう。

理想的には高たんぱく低脂肪で、ささみ・鳥むね肉・シーチキン・卵白・無脂肪牛乳などがそれにあたります。

 

〇食べる順番はどうすればよいのか?

最近、食べる順番を気にされる事が多くなりました。食物繊維→たんぱく質→炭水化物の順番が正解です。

これは正しい順番で食べることで、”急な”血糖値の上昇が抑えられるからです。とくに糖尿病のかたは”急な”血糖値の上昇を抑えたほうがよいので、もちろん食べる順番を気にされるのはとても良いことです。

しかし、血糖値が上がる事には変わりません。急に上がるかゆっくり上がるかの差です。野菜を先に食べたから、その分炭水化物を多く食べられるという訳ではありません。

 

〇低GI食品とは

血糖値のあがりかたをもうひとつ。栄養に関心の高いかたは気にされていますが、食べたときに血糖値の上昇が遅い食品が低GI食品です。健康的には高GIよりも低GIのほうが望ましいです。もちろん低GIでもゆっくりですが血糖値はあがります。

こだわりだすときりがありませんが、以下のことは覚えておいて損はありません。

・玄米・そば・全粒粉のパスタなど色のついた穀物、果物は低GIである場合が多い。

・芋系ではサツマイモが意外に低GI、ジャガイモ・かぼちゃは高GI。

・白米とパンは高GI、ケーキやお菓子など健康にわるそうなものはもちろん高GIです。

 

〇現代人の多くは塩分摂取過多

日本人は平均的に1日約10gの塩分を摂取していると推測されています。

厚生労働省の指針では男性で7.5g、女性で6.5gの塩分摂取が推奨されていますが、しかしこれは健康な人の場合で、高血圧症のかたの場合だと日本高血圧学会の指針で1日5gが推奨されています。

 

味つけが濃い食事は塩分が高いと考えてまず間違いありません。しかし薄味でもたくさん食べれば結局塩分を摂取してしまいます。

また、塩や醤油などはスプレーで表面に吹き付けて食べると、味が薄くならず塩分摂取を減らすことができますのでお試しになる価値は充分にあります。

 

日常生活しているうえで、塩はかなり制限しても摂取不足になることはまずありません。仮に1日の塩分摂取量が2gだったとしても健康上は全く問題ありません。総じて現代人は塩分摂取過多にあるのです。例外的には熱中症などによるつよい脱水がある時くらいです。

 

まあでも塩をきかせた料理、美味しいですよね。当院では患者さま個人個人に合わせた塩分摂取量をアドバイスしていきたいと思います。

 

〇塩分が多く含まれる食品

みそ汁、梅干し、漬け物、ラーメン、、、誰もが想像するこれらの食品には塩分が多く含まれています。そのため塩分を減らすためにはこれらの食品を食べる回数を減らす、量を減らす、味付けを薄くする工夫が必要です。

 

10年以上前にある農家のご自宅に訪問診療したときにお茶を出していただいたのですが、そのお茶うけとしてお漬物を山盛りにお出しいただきました。そのお漬物のキュウリやナスは当然自家製で、まぎれもなく私の生涯で最もおいしい漬物でした。おそらくご近所さんどおしでお茶を飲むときもそのお漬物を食べながらお喋りを楽しんでおられるのでしょう。そんなお漬物を止めろというほうが難しいです、、、。なぜ日本人は塩分摂取が多くなるのか、本当の意味でよく理解できた経験でした。

 

とはいえ、血圧があがるのも問題です。みそ汁、梅干し、漬け物、ラーメンは誰もが想像できますが、ちくわ・かまぼこといった練り製品、ハム・ソーセージ、チーズ、アジの干物・塩鮭にも塩分が多いので要注意です。もちろんお煎餅、ポテトチップにも塩分は多いです。食品包装に記載してある成分表をみる習慣をつけると、徐々にどんな食品に塩分が多いのかわかってきます。どの食品にもいえますが、食べる回数・量・味の濃さ、ほどほどがよろしいかと思います。

 

 

 

 

 

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME